11本目、12本目
ひたすらにギャルゲーの感想を書き連ねていく本企画。
今回は「やるドラ」シリーズより、「季節を抱きしめて」と「サンパギータ」をご紹介。
季節を抱きしめて
「やるドラ」2作目、舞台は春。
1998年にソニーからPS用ソフトとして発売されました。ダブルキャストに続く、『やるドラ』シリーズの第2作目です。
今作は前作と比べると、少し恋愛要素が強い作品となっています。舞台が春なので爽やかな感じがする……のは、実は最初だけなのですが。プレイ後の感覚では、なんだか激昂シーンと雨と雷の印象が強いのでした。
あらすじ
大学1年生の主人公は、同級生で仲の良い女友達の国立トモコと大学の構内を歩いていました。すると、構内に生えてる桜の木、通称『悲恋桜』の下でセーラー服を着た女の子が倒れているのを発見します。
どうやらその女の子は記憶喪失で、しかも容姿が数年前に亡くなった、主人公の片思いの女の子、桜井麻由にそっくりでした。その子に特別な何かを感じた主人公は、記憶を取り戻すべくその女の子と一緒に行動し始めます。
その子は偶然にも自分の事を仮の名で「麻由」と名づけました。主人公と麻由は色んな所にいき、記憶を戻そうと頑張ります。しかし、主人公に対して好意を持っているトモコはこの状況を快くは思っていません。
ここで三角関係が生まれ、主人公は記憶を麻由の記憶を取り戻しつつ、トモコの機嫌も取らなければなりません。非常にめんどくさい笑
で、最終的に記憶は戻るのか、そもそもこの子は何者なのか、という流れで話は進んでいきます。
感想
プレイしていて、いつホラー展開になるのだろう?とばかり思っていました笑
前作(ダブルキャスト)が中々衝撃的な内容でしたから、その流れを汲んで、トモコが包丁で主人公を刺すんじゃないかとハラハラしていましたが、今作はそのような事件は起こりませんでした(何回か修羅場はありますが)。
エンディングはグッドが5個でノーマルが4個、バッドが18個と前作とほぼ変わらない数で、全部回収するとかなりのボリュームになります。周回プレイをしているとグッドの選択肢を教えてくれるのでありがたい仕様になっています。
アニメーションに関しては、前作の完成度がかなり高かったのでそれに比べると若干ですが見劣りはします。が、それでも充分なハイクオリティなアニメーションで、やりごたえのあるシナリオに声優さんの演技も相まって、これぞ『やるドラ』だな、と感じました。
……ただ、三角関係(ルートによっては四角関係)のシナリオは読み進めるのに気力を使いますね笑
個人的にはトモコが大好きだった(声優も含めて)ので、トモコをウザがる主人公が理解できませんでした(怒)。
『やるドラ』シリーズの次回作は『サンパギータ』です。季節を抱きしめてをクリアした際に予告ムービー的なものが流れるのですが、褐色の少女、拳銃、ヤクザっぽい連中が登場し、とても面白そうでした。主人公が拳銃で撃ちぬかれる未来が見える笑。
サンパギータ
「やるドラ」シリーズ3作目
「ダブルキャスト」「季節を抱きしめて」に続く、やるドラシリーズの3作目。このシリーズ、記憶喪失系ヒロインが登場する点は共通ですが、作品によってガラリと作風が異なるのが面白いですね。
「サンパギータ」は秋を舞台に、行き倒れていた謎の褐色外国人美少女のマリアを助けたことから始まるハードボイルドストーリーです。……ハードボイルドは言い過ぎかな? いや、ハードボイルドか。
ストーリーの導入こそ他作品と同じですが、マフィアとの抗争や銃撃戦というのは他シリーズではないものですので、その点は結構異例なのかもしれません。
他にも、屈強な兄貴分であるボーイ(CV:大塚明夫)の男らしさ、女性キャラがほぼマリアしか登場しない、というのもハードボイルド・ポイントが高めなのかも。
愛にすべてを
先にちょっと触れましたが、作中のポイントは「フィリピンマフィア」であり、どうあがいてもストーリーに関与してきます。
彼らは平気で街中で発砲してきますし、マフィア本拠地への出入り、銃声飛び交う燃え盛るビルなど、過激派も真っ青な抗争を繰り広げてしまいます。「やるドラ」では結構警察官が登場するのですが、彼らは果たして業務を遂行しているのでしょうか。治安維持はどうなってるんだろう。
そして主人公もマリアを助けるために抗争に参加するのですが、ただの大学生が血飛沫飛び散る戦場に突入するというのも無茶な話です。ボーイも止めてやれよ。
まあ、それほどまでにマリアのことを大切に思っているが故の行動なのですが、日常パートがダイジェスト気味なため、あまりプレイヤーの心情といまいちマッチしないのが残念。作品ボリュームの都合上、仕方がないのだと思いますが。
ですが、3種類のグッドエンドは正統派から変化球まであり、すべてマリアへの愛情が伝わる素晴らしいもの。マフィアの抗争以上に非現実的なもの、逆にある意味非常な現実となるものなどありますので、ぜひ3パターンを見ることをお勧めします。
総評
やるドラシリーズのハードボイルド枠ですが、マリア(CV:林原めぐみ)の可愛さはシリーズ随一。登場キャラもヒロインも少ないので、シナリオが発散することがないのは良くも悪くもポイントですね。
作画的にはシリーズでも一番癖のない、馴染みやすく綺麗なものとなっているので、最初の「やるドラ」作品としても良いのではないでしょうか。
まとめ
「やるドラ」シリーズを一挙2作品紹介。最近はこのような作品ってあまり出ませんね。ロープライスに抑えることができれば、結構需要ありそうなんですけどね。
それにしても、当時はセガサターン・プレイステーションによる3D争い真っ只中。そんな中でアニメ全開の「やるドラ」は、今思い返すと非常に好印象ですね。3Dが嫌いなわけではないですが。