熊本を舞台にした釣り漫画

熊本県を舞台にした作品は多々ありますが、今回感想記事を書くのはそのうちのひとつ。JK釣り漫画の「放課後ていぼう日誌」1巻です。

2019年11月時点で5巻まで刊行されており、さらに2020年4月からはアニメ化も決定しているとのことで、徐々に話題となっているようです。

都会から引っ越してきた主人公が田舎の高校へ入学し、主に釣りを行う謎の部活「ていぼう部」へ入部する……という王道展開で、まったりと楽しめます。田舎の魅力、釣りの魅力を紹介しつつ、戯れる女の子たちも楽しむことができるというお得な構成。

熊本を紹介するサイトとして、この作品に触れないわけにはいかないでしょう……ということで、若干今更感はありますが感想記事を。

舞台は熊本南部、芦北町近辺

作中で具体的な地名は出てこない(と思う)ですが、風景や魚類などは熊本県の南部に位置する芦北町周辺を舞台としているようです。対岸に天草、周囲には水俣や人吉がある辺りですね。

芦北町は熊本市街から高速道路で1時間程度、都市部からは少し離れた海沿いの土地となります。本サイトとしても、実際に現地へ赴いたレポをいずれ書こうかと思っています。乞うご期待。

主人公とていぼう部

©小坂泰之/秋田書店

おっとりした主人公

都会から引っ越してきたひとりの少女、鶴木陽渚(つるぎ ひな)。裁縫が趣味で生き物が苦手な彼女が、本作の主人公となります。大人しい女の子ですが、心を落ち着かせるためのルーチンが「持ち歩いているフェルトを突きまくる」という怪しい一面も。

中学を卒業したタイミングで父親の出身である九州へと移ったようですが、彼女は意外と楽観的なのか結構田舎暮らしを楽しんでいるようです。

海は好きだけど海の生物は苦手、というのは非常に共感されるのではないでしょうか。魚だけでなく、海辺にも結構色々な生物は居るものです。なぜか海の生物って、普段目にする動物や昆虫よりも外観がちょっと……というものが多い気がします。

内向的で生き物が苦手な陽渚ですが、ていぼう部の仲間とともに釣りや生き物、アウトドアを徐々に克服していくことになります。その過程はぜひ、漫画で読んでもらえればと思います。……というか、結構順応が早いですね彼女。現代の都会人、すごい。

ていぼう部の面々

釣りを愛するていぼう部の部長

休日にもよく釣りをしている部長の鑑、黒岩悠希(くろいわ ゆうき)。現在のていぼう部唯一の三年生。

彼女が部員欲しさに陽渚を(半強制的に)加入したことから、陽渚の受難は始まったのでした。まぁ、結果的に陽渚も楽しめていますし良かったのかも。部長は人情味のある熊本女子のようなので、無茶なことはやらせなそうですし。雑用は平気で押し付けますが。

なお、本作にはちょくちょく熊本弁が激しい登場人物が出てきますが、彼女もそのひとり。最近の若い熊本人は使わないような熊本弁まで使いこなしているようで、我々も見習わなければなりません。

同級生の幼馴染

陽渚と幼馴染の一年生、帆高夏海(ほだか なつみ)。陽渚とは正反対なアクティブなアウトドア派で、釣りも十分に経験があるようです。

やはり同級生だからか、陽渚は夏海と行動することが多いようです。キャラとしても動かしやすそうですしね。結構勉強が出来る、という意外性も。

高スペックな頼れる先輩

ていぼう部の二年生、大野真(おおの まこと)。名前の通りに身長(とか諸々)が大きい先輩です。物腰柔らかで大人しいのですが、釣りはもちろん料理も得意、さらに高身長で体力面も優れていると、スペックの非常に高い女性なのでした。

「釣ったら食べる」がモットーのていぼう部において、魚屋の娘であり釣りも料理もできる彼女の存在はとっても大切。先輩からも後輩からも信頼が厚いのも当然なのかも。

1巻のポイント

時系列

1巻では、陽渚が引っ越してきた3月末~4月初めが描かれています。部長との出会いが入学式前の3月末、アジゴやマゴチを釣ったのは入学式後、4月上旬でしょうか。マゴチが浅瀬に接岸してくるのは春頃かららしいので、ちょうどシーズンだったのですね。

陽渚のトラウマ

度々の描写から、陽渚は海に関する何かしらのトラウマを抱えているようです。本人も自覚していないようなので、部活動に影響はないようですが。

察するに、幼少期に夏海と砂浜へ遊びに来た際に溺れたのでしょうか。一応今は「犬かきなら泳げる」程度ではあるようですので、完全に水がダメというわけではない模様。

1巻での釣果

1巻で釣り上げたのは、タコ・アジゴ・マゴチ等々。タコの際には全く生き物に慣れていなかった陽渚ですが、釣りを通じて魚に触れ、段々と生き物に触れることに抵抗がなくなっているようです。

それにしてもいきなりマゴチを釣り上げるとは、生き物苦手と言いながらも陽渚は釣りに向いているのかも。それとも主人公補正ってやつでしょうか。

また、本作では釣りに関する結構実践的なお話を陽渚(初心者目線)で挟んでいますので、読後は実践でどれだけ漫画の知識を使えるか試してみるのもいいかもしれません。

まとめ

ていぼう部の面々と出会い、釣りを始めることになった陽渚。きっかけこそ部長の罠でしたが、次第に釣りの魅力に惹かれていく陽渚なのでした。青春ですねぇ。

引き続き、続刊の感想も書いていこうかと思います。